この度は、Boe Tokyoのサイトにお越しいただきありがとうございます。
何かのご縁で、私たちはこちらでお会いできましたね。
大変恐縮ですが、簡単に自己紹介をさせてください。
私の出身は、台湾の台北です。小さい頃から絵を描くことが好きでした。学校から帰った後は、とにかく1時間くらい机に向かい、A4のコピー用紙をたくさん並べて、シャープペンシル一本でひたすら絵を描いていた記憶があります。それは小学生の頃のお話でした。
そうやって普通に中学・高校に通いながらも、絵を描くことは続けていて、パソコンでデザインもし始めました。
大学受験の際には、デザイン学部に入ろうと思っていましたが、蒼井優が出演していた『はちみつとクローバー』の実写映画を観てしまい、あまりにも自由な空気が漂う「美術学部」が素敵だと思って、その一念で進学先は芸大と決めました。
台湾芸術大学の美術学部に無事進学し、その後は本当に自由な4年半を過ごしました。(遊びすぎて半年留年しました。)先生は片手にタバコ、片手に筆を持って絵を描いたり、教室内で裸のモデルをデッサンしたり、毎日5kgほどある重い木製の油絵道具箱を手に、電車で通学したり。そんな日々でした。
私はアートにとても惹かれていましたが、その頃に違和感を感じたのが、「アート」そのものが評価されるというよりも、そのアーティストの思想や解釈が重要視されていることでした。
もちろん、「なぜそれを作ったのか?」「それは何を表現しているのか?」という説明がとても重要であることは理解しています。それでも、「アート」には非言語的な魅力があると思います。その作品の存在だけで意味があるはずなのに、頑張って言語化し、説明を加えることが、アートの本質からかけ離れているように感じました。
まだ学生だった私は、その気持ちもうまく言葉にできないまま、モヤモヤを抱えて卒業を迎えました。
その後、自由なままでワーホリビザを取得し、311東日本大震災の翌年に大好きな日本へ向かいました。
1年間アルバイトをしながら旅をして、とにかく日本はさまざまな角度から見ても美しいのだと感じました。建築、言語、文化、デザイン、アート、そしてファッション。
台湾にいた頃から読んでいた「装苑」という雑誌があります。「その学校に行きたい」と決心して両親に告げたら、「全力で応援する」と返事をもらいました。そして24歳になって文化服装学院に入学し、服飾の勉強を始めました。
ファッションの世界はアートよりも、もう少しダイレクトで、鮮やかで、目に見えるものを極めて表現する世界です。良い意味で深く考える必要がなく、説明も要らない。「もの」で語るような、その部分がとても自分の性に合っていた気がします。
再び卒業した後、さすがに就職しないと両親に申し訳ないと思い、中国語が話せるというスキルに頼らず、日本人と同じ条件でアパレル関係の仕事を探していました。
そこからしばらくは普通の社会人として、アパレルの企画会社で企画アシスタントをしたり、アパレル資材のOEMの法人営業をしたり、大手アパレル会社の海外事業に携わったりと、いろいろな、いわゆるキャリアを積んでいました。
日本の方と結婚し、第一子を出産したのは33歳の時でした。すでに日本に定住していて、すっかり「日本人化」していました。たくさんの気遣いをして、ルールに従い、この社会に馴染もうと頑張るようになっていました。
初めて迎えた赤ちゃんの成長は、とても神秘的で不思議なもので、生命の源のようなものを見ている気がしました。もともと子供が大好きだったわけではありませんが、子供って、本当にすごいパワーを持っていて、本質的で、世の中のすべての答えが詰まっているような存在なのだと、圧倒されました。
そうよ、私もそんな状態で生まれてきて、「存在しているだけで意味がある」。まさに、私がずっと追いかけていたアートの本質です。それはファッションもデザインも、そして「美」と感じるすべてのものに通じる「本当の意味」なのだと思います。
少し哲学的になってしまいましたが、子供が生まれて、好きなように生きることの尊さに心を動かされ、人生の中盤になってから、もう一度夢を追うことにしました。
昔からレザーバッグが好きでした。本革が持つ、一定ではない自然な表情と、それを身につけた時に生まれる人との調和が、とても素敵だと思っています。自分自身の今までの経験を活かして、私が「美」に対して持っている定義を表現できるブランドを作れたら良いなと思っています。
「Boe」(ボエ)というブランド名は、日本語の「坊へ」という響きから名付けました。性別がわからないまま妊娠していた時、お腹の中の子を「坊」と呼んでいた経緯もあります。子供から勇気をもらったこともあり、「親愛なる子供へ」というテーマで、素直で、面白く、純粋なものづくりを貫いていきたいと思います。
だいぶ長くなりましたが、どうか今後とも見守っていただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
YUYUN 2026.10